「SLと少年」 勝又 説夫
選評 : 全日写連関東本部委員長 江連 康晴
大型模型の蒸気機関車SLジオラマ。子供ばかりでなく大人も目を引きます。特にSLの魅力に取りつかれている鉄道ファンが数多く見受けられますね。このように子供のころSLを身近にみて育った人たちです。ここでは、あたかも少年が手元でリモート操作しているような感じを受けます。そして、少年がのぞき込んでいる運転室。興味津々と目を輝きさせながら見つめる少年の心情を映しとどめています。煙が出ていて、なびいているのがSLの動きを醸し出しています。モノクロにしたことで黒いSL,白い煙、白いマスクと、観る側がの目が誘導させられていきます。最終的には少年の目に引き付けられて心の内を想像させられてしまう作品表現となっています。素晴らしい一瞬を切り取りました。