総評 : 審査  熊切大輔 (写真家)

 今回は三嶋大祭りをテーマに撮影された作品ということで、正直一つのイベントだけだと、画のバリエーションが無いのではと心配しておりました。しかし実際の作品を見てみると、被写体選びも豊富で、その表現も様々でした。加えて被写体の表情がとても良いのが印象的でありました。これは撮影する皆さんがその祭りの特徴をよく知り、その魅力を理解して引き出さないと撮れるものではありません。そのテクニックも豊富で驚かされました。思い切った寄り構図もあり情報量の多い引き構図もありと見ていて飽きませんでした。まるで皆さんが手分けして一つの作品を撮ったように、まとまりと見応えを感じました。
 祭りの魅力はそのイベントのそのものではなく、それを取り巻く人間模様でもあると思います。道一本路地裏に入ると、祭りが始まる前の緊張感や終わったあとの安堵感など垣間見る事ができるものです。そんなところにもう一つのドラマが生まれているのを見逃さないように、より視野を広く取って被写体を観察することが必要になります。これは祭りに限ったことではありません。様々な被写体に当てはめることができるのです。今後の撮影のヒントにして頂ければ思います。
(最下部に入賞者リスト)

  入賞リスト