総評 : 審査 清水哲朗(公益社団法人日本写真家協会理事)
総評:どの部門も実力者揃いでレベルが高く、見応えのある審査となりました。上位は特に光の捉えかたや空間処理が巧みで臨場感が伝わるだけでなく物語を想像させたり余韻を与えたり、見る側を一瞬にして惹き込む能力がありました。良い写真は4秒以上目が止まると言われますが、そういう作品が多数あったのは嬉しい限り。一方で内容は良いのにプリントクオリティが低く減点された作品がいくつもあったのは残念でした。昨年の審査総評でもお伝えしましたが、静岡県写真展は応募作品がそのまま展示されるだけに用紙選びやプリントには細心の注意を払いましょう。「カラーの部」は3部門の中で最も応募枚数が多く、結果、量が質に表れ、入選作品まで激戦でした。「モノクロの部」は色でごまかせない分、本質の捉えかたが勝敗を分けました。「組写真の部」は日頃からクラブや例会などで研鑽を積んでいるのでしょう。複数のイメージを効果的に魅せる上手さを感じました。最近は全国レベルのコンテストでも組む意味を感じなかったり、連続写真を「組写真」として応募したり、でたらめに組んだ作品が目立ちます。それがなかった静岡県写真展応募者には組写真表現能力の高さを実感しました。








