写真展の会期 : 平成26年9月23日(火)~28日(日)
会場 : 静岡市清水文化会館マリナート ギャラリー(全面)
◆審査総評 写真家 土田ヒロミ氏
今年で、3年目の審査となったが、ここ3年間の応募作品の内容的には各部門とも大きな変化はなかった。カラー単写真部門は、まつりやイベントスナップが多くを占めているがスナップショットのレベルは、やはり全国に冠たる静岡県、レベルは高い。日常のスナップショットが影を潜めているが、肖像権の問題が表現の範囲を狭めてきているのは、残念といわざるをえない。作者自身のプライベートな家庭写真などにスナップショットの作品を期待したい。風景写真に富士山が多く現れたのは、世界遺産決定とおおいに関係していること言うまでもないことであろう。美的な対象というより、至近な日常的な風景、情景に絡ましているものが多くあったが、さすが地元という感じであった。
モノクロ単写真部門は、デジタル出力の技術が、この3年で向上が著しい。カラーよりもモノクロの方が出力は難しいものだが、総じて破綻している作品は激減、3年間の技術習得が向上していることを実感出来た。
組写真部門のレベルは、静岡は全国レベルで最高に位置し、平均的レベルは高いのだが、技術的な完成度、テーマ内容を問い過ぎるきらいがあり、ベテランを中心にその傾向が強い。初心者に参加を積極的にすすめたい。自由に遊ぶ感覚で参加を期待したい。組写真は、自己の内面性や感情などを表現出来る方法であり、短編小説、詩、短歌、俳句にも劣らぬ深い表現を可能にするほどだ、凡庸とも見える写真を組み合わせることで、予測もしないイメージが生まれてくるもの。さらに挑戦したい。
さて、来年は、静岡県写真展が60回を迎える記念の年。大きな飛躍を期して、新しい挑戦をしてほしい。