総評 : 審査  清水 哲朗 (写真家)

 どの部門も傑作良作が多く見応えがありました。評価基準はどこの審査でも変わりませんが、自分が同じ現場に立った時どのようにアプローチしていたか。想像を超えるものには惜しみなく高評価をつけました。具体的には「着眼点、光の捉えかた、被写体との距離」を中心に、角度、構図、シャッタータイミング、臨場感、周辺描写、仕上げ(プリント用紙選択含む)の良し悪しを評価。3部門の中でも「組写真の部」は特にレベルが高く、作者の熱意と日頃の取り組みの成果がよく表れていました。県知事賞がこの部門から選ばれたのは必然でしょう。「カラーの部」は応募人数、作品数が最多で最後まで激戦でしたが、内容は良いのにプリンタヘッド汚れで減点された作品がいくつもあったのは残念でした。静岡県写真展は応募作品がそのまま展示されるだけにプリントクオリティには細心の注意を払いましょう。「モノクロの部」は色情報がないぶん、狙いや本質の伝わりかた、想像力をいかにかき立てるかが勝負の分かれ目に。安易なモノクロ化やカラー部門にも応募した作品は良い印象を受けませんでした。また黒の基準、色のバラつきが作者によって違いが大きく、主観的に美しいプリントほど高評価としました。

モノクロ写真の部入賞

カラー写真の部入賞

組写真の部入賞