「ゼブラの丘」 加藤洋一

選評 : 関東本部委員 小野崎 徹

これはもうアマチュアカメラマンに限らず風景写真ではお馴染みの美瑛の丘の風景ですが、ちょっと変わってますよね。 生憎の小雨模様ということですが、うねうねとした美瑛の丘のビニールシートを、縞馬の背中の様に又はお腹の様に見立てたというところが今までの風景とは違いますね。 丘にはまだ雲が低く垂れ込めています。そして、作業用の車でしょうか赤いものがポツっと見えますが効果的ですね、モノトーンの様な世界の中にポチっと赤いものがあって。なかなか洒落た作品で、アングルもちょっと斜めからで、うねっている感じですね。 美瑛の丘というのは、大変苦労して開墾したところで、土地の傾斜が物凄いというのが特色ですよね。このために農家の人はとても苦労してるんですが、写真を撮る方にとっては内地にない面白い風景が撮れて、皆さん必ず此処を訪れるという訳ですね。 多分プリントのせいだと思うんですが、土の色が雨模様だったら水気を含んでもっと黒いんじゃないかと思うんですが、ちょっとグレーっぽくなってますね。空気がすきっと晴れてる訳でなくガスってるってこともあるんでしょうけど、もうちょっと土が黒っぽくて、白い縞馬模様のコントラストがもうちょっとあると良いと思います。 それから、上の方の背景、ガスってる山の斜面、上から2センチぐらいカットしたらどうでしょう、その方が下のゼブラの模様が際立ってくるんではないかと思います。(録音テープによる講評を鈴木洋一が要約)

「ゼブラの丘」  加藤洋一