「黄昏れ時」 矢島 一美

 
選評 : 関東本部委員 山村行志
 
まず、この鱗雲が素晴らしいですね。とてもきめ細かく、ファインダーの隅々までよく見て、被写体に向かったのではないでしょうか。
通常、電信柱などの人工物は極力画面から排除するのですが、この場合は、電信柱と電線が形の面白さと、生活感の表現にも役立っています。
そして、左下のこんもりとした雑木林の向こうには落日があります。その落日の一瞬を捉えた、会心の作だと思います。

「黄昏れ時」  矢島 一美