「虹の想い出」 八谷 文代

選評 : 全日写連関東本部委員 横田 正大

作者の話によると愛知県設楽町の田峯地区で江戸時代から行われている伝統の「三河歌舞伎」を見に行った際の出来事だったそうです。ふと空を見上げると虹が出ていたのを見つけて瞬間的に写真を撮ったとの事。近くに田峯城跡がある場所でちょうど城の所在を示す幟が入り、撮影した場所が分かる写真になりました。この虹をよく見ると水平もしくは左端の方がU字にやや上に曲がっているように見えます。この写真ではよくわからないのですが、虹は空に橋のようなアーチを掛けるのが普通で空に向かってU字に見えるのは「逆さ虹(環天頂アーク)」と呼ばれ、かなり珍しい現象だとか、咄嗟の出来事で、空全体を見渡せる写真が撮れなかったのがちょっと残念だと思いました。

「虹の想い出」  八谷 文代