「盆踊り」 古池 貞夫

選評 : 全日本写真連盟関東本部委員 小野崎 徹

各地で行われる盆踊り。その土地の特徴を出すのは難しいものですが、古池さんは掛川城を大胆にいれることで、自分の住む街への思いを表現しています。盆踊り会場は照明がついているけど、空にはまだ明るさが残る夏の夕暮れ。踊り手はみな後ろ姿ですが、街のシンボルとしてのお城が強調される結果となりました。天と地を区切るような木立の暗がりが会場をくっきりと見せる効果をあげています。実際の盆踊り会場は騒々しく賑やかなのでしょうが、なんだか静けさを感じる作品です。ストロボをたかずその場の明かりだけで撮影した事も良かったと思います。

「盆踊り」  古池 貞夫