「路地裏」 鈴木 文雄

 
選評 : 関東本部委員 山本 敦美
 
モノクロ三枚組でうらぶれた路地の雰囲気を表現しました。蔦の絡まった家や塀の三枚組で少しダブり感もしますが、ローキー調に仕上げたことで薄暗く人気の絶えた裏の裏の路地の様子が印象的見えてきました。そして、この作品はかって人の往来で賑やかだったこの通りが、人口減少や車主体への暮らしの変化で急激に過疎化が進行した現代世相の変動状況をしっかり物語っています。栄枯盛衰の厳しさを感じさせる奥の深い作品となりました。