「青春の喜び」 加藤 利光

選評 : 全日写連関東本部委員 山本 敦美

これは居酒屋でしょうか。 カウンターの前に4人のかつての青春のメンバーが座って、お店のお母さんの前でおいしいお酒とおつまみを食べながら談笑をしている、そんな場面ですね。 タイトルが「青春の喜び」とあるのは少し違うかなとは思いましたが、まあ、同年輩の皆さんがかつての若かりし頃のことを思い出しながら、よもやま話しに花を咲かせているのでしょう。 こういう場面はなかなか作品にしにくいところではありますね。 作者は4人と、相対するお店のお母さんとのちょうど真ん中あたりに陣取って、いい角度で両方をカメラに収めました。 この作品のいいところは、話しを聞きながらお母さんが料理を作っている、とても雰囲気のいい場面だということです。 光も全体にうまく回っていて、小細工なしのプリントで、とてもさわやかな楽しげな作品だと思いました。

「青春の喜び」  加藤 利光