「一抹の寂しさ」 加藤 利光

選評 : 全日写連関東本部委員 山本 敦美

海の神輿をじっと見ているおじいさんの背中から、タイトルどおり「一抹の寂しさ」が伝わってきます。 かつてはこのおじいさんも海に入っている若者たちと同じように、一生懸命神輿を担いで祭りを盛り上げていたのでしょう。 その頃を思いながら寂しさをこらえている、この大きな背中からそれがしっかり伝わってきます。紋付の肩にかけた御幣にも、歴史ある祭りの雰囲気が感じられてとても良い作品です。

「一抹の寂しさ」  加藤 利光