「 過 疎 」  福島 耕司

選評 : 全日写連関東本部委員  中村 勝利

 過疎化が限界集落の社会問題として多年を数え続けている。作者は、そうした部落の一部を切り取って、我々に語りかけている。雑草も片付けられていない母屋、刈り稲干しに使った丸太を保管する小屋、木の流し台の壊れた水道、二本の杖を突いて歩く老女の後姿に、今は昔の、もの寂しいノスタルジーを強く感じます。