「遠州灘沿岸」 掛川市 浜野
中村明弘 2021年11月23日 撮影
■撮影者コメント
長い間遠州灘を撮り続けてきた友人の案内で、久しぶりに遠州灘の浜に行ってみようと出かけました。浜岡原発周囲がずいぶん変わったよと言うので、まずそれを撮ろうと発電所が遠くに見える高い土手に上がりました。その時、あまりの風の強さに必死で帽子を押さえながら見た海…。烈風に波立ち、強い太陽の光をギラギラと反射して迫ってくる。その迫力に身がすくんでしまいました。
発電風車は原発の近くにも何基か建っていましたが、さらに西へ向かうと、その数が増えていきます。どこを見ても風車、風車…。いつの間にこんなに増えたのだろうかとびっくり…。さらに周辺は太陽光発電パネルが、これも海岸から150号線までの間の地平を次々に埋めている光景が続きます。
車から降り、巨大風車に近寄ると、空気をぶった切る様にして巨大なプロペラが何とも不気味な音を立てて回っている。体を縮めるようにして風車の側を通り抜け、浜へ…。この写真はその途中での一枚。風力と太陽光という「再生可能なエネルギー源」を利用した発電がまさにこの場で、というわけです。
雨後のタケノコのように、次々と建つ発電風車と、一気に地を覆う太陽光パネル、そして再稼働待ちの原子力発電所…。それらが立ち並ぶ遠州灘の沿岸…。
「風車のある風景」と聞けばロマンチックな響きがしますが、現実はそれだけではないということを考えさせられた「ちょっと怖い」風景との出会いでもありました。