「影のお通り」 古池貞夫

選評:全日本写真連盟関東本部委員  小野崎 徹

何気ない風景にストーリーを感じ、カメラで切り取った作者の感性が素晴らしい。風化して木目が浮き出た古い橋。いかにも時代を感じさせる擬宝珠。斜めの光線でくっきりと陰影が浮かび上がり、主役の欄干の影が存在感をはなっています。橋の向こうの日陰に積もった落ち葉に光が当たり、画面に奥行きを与えています。作者は「まるで影が橋を渡っているように見えました」とコメントしています。