「だるま市の姉妹」 竹之内範明

 選評 : 関東本部委員中村明弘

 カラフルなダルマが並んだだるま市。こんなに色とりどりのダルマの登場はいつ頃からだろうか。そんな達摩の山越しに、幼い姉妹が斜光線を浴びて浮き上がっている。だるまたちはビニール袋に包まれ、この姉妹も暖かそうなフードに頭が包まれている。そんなところにもおもしろさがあり、温かな想いにさせてくれる作品である。目の入っていないダルマが並ぶ中で、この姉妹のつぶらな瞳が愛おしい。だるまさんたちのささやく声が聞こえてくるようだ。「こっちにもたくさんいるよ!」などと…。