「早朝の運河」 竹之内範明
選評: 全日写連関東本部委員 中村明弘
早朝、大都会の空は早くから開け、今日もまた日中の暑さを予測させている。ビルの谷間の運河はまだ仄暗く、船上に人影が動き始めている。そこに突然、その静寂な空間を破る轟音が鳴り響く…。上方に鋼鉄の塊が侵入し通り過ぎていく。ビルの合間から差し込む光が「動く塊」の側面に反射し、流れる光となり、無機的な高層ビル群の中へと突入していく。連続的な金属音も小さくなり、やがてまたこの場に静寂が戻ってくる。つかの間の夢であったかのようその一瞬を見事に切り取った作品である。

