「手前の線香でお祈りを」 勝又説夫
講評:全日写連関東本部委員長 江連康晴
この作品は、参道の石段でお坊さんと出会った、まさに「一期一会」の瞬間を捉えた一枚です。 お坊さんが手を差し伸べ、「どうぞ線香をあげてお祈りしてください」と促しているような姿が印象的で、柔らかい表情と所作から温かい人柄が伝わってきます。石段の上には大きな仏さまの御影が掲げられ、観音さま、あるいは阿弥陀さまを思わせる姿が描かれています。 その前には供物台が置かれ、花や道具が整えられており、日常の中に突然現れた宗教的な空気が、写真全体に静かな荘厳さを与えています。このような場所で、偶然お坊さんに声をかけられた瞬間を逃さず撮影した点は、とても評価できます。 人と仏の世界が交差するような、貴重な出会いの一瞬を丁寧に写し取った作品です。

