第60回静岡県写真展が終了

みなさん、ありがとうございました。

60回目を迎えた記念すべき静岡県写真展(通称「県展」)が無事終了しました。展示準備には70名を超す支部会員、個人会員、一般の方が県下各地から集まってくださいました。あの大雨の9月8日の朝でした。

静岡市清水文化会館マリナートのギャラリーで開催されるのは昨年に引き続いて2回目。9月8日~13日まで6日間に入場者は800余人。会期中に幾日か天気の悪い日もありましたが、会場には、長い時間をかけて写真を楽しんでおられる方などが、途切れることはありませんでした。

●審査員土田ヒロミ氏をお迎えして

写真家の土田ヒロミ氏を「県展」の審査員としてお迎えしたのは、今年で10回目となります。昭和60年の第30回が最初で、この時の県本部委員長が木村仲久さん。

その当時、土田氏は「ヒロシマ」三部作を世に出したばかりの現役バリバリの写真家で、同時に東京写真専門学校の校長もされていて、写真家の養成面でも大活躍をされていました。そんな土田氏に「県展の審査員」をお願いした理由について、平成8年から7年間、県本部委員長だった伊藤英明さんは次のように述べています。

「(県展への)一般の応募者が会員の応募者を超える状況になったのです。したがって県展のあり方が、会員以外の人々にも問われるようになって参りました。すなわちレベルの高い魅力ある写真展にしなければ応募が減ってしまうわけです。そこで写真家として知名度が高く全日写連の基本姿勢であるドキュメンタリーの分野で活躍されている‘土田ヒロミ先生’に審査をお願いして、《写真表現の可能性の追求》に的を絞った審査を6年間にわたり担当していただきました。(全日写連静岡県本部・創立50年記念誌)より」

そして中村勝利委員長になって4年目の第57回から、また土田先生にご登場いただいたということであります。

今年は60回にふさわしい何か記念企画のようなものができないかと数年前から考えてきましたが、土田ヒロミ氏に表彰式にお越しいただき「入賞作品の講評」を直接していただけることになりました。

さて、913日、表彰式の始まる前の1230分から約一時間。100名以上が参加。上位入賞作品の一点ずつに即しながら、機知に富んだ楽しいお話をたくさん聞くことができました。

審査員特別賞を出していただけるということもこの60回記念企画の一つでした。三部門にお一人ずつ土田氏から『土田ヒロミのニッポン』という写真集(第27回土門拳賞受賞作・東京都写真美術館)が贈られました。「この写真集を見ると写真が上手になりますよ。」と一言付け加えられた氏のコメントに会場は大爆笑でした。

 

無事に第60回目の「県展」を終えることができましたこと、多くのみなさんのおかげです。本当にありがとうございました。

(県本部委員長 中村明弘)

作品の講評する土田ヒロミ氏(撮影:鈴木文雄)

表彰式会場