総評 : 審査 勝又ひろし (全日写連総本部事務局長)

 写真の審査に携わるようになって25年になりますが、野外撮影会の写真コンテストで組写真の部があるというのは初めてでした。組写真は純文学的なアプローチで撮る場合が多く、プロットを練って撮影し、セレクトや並べ方をじっくり行うというイメージがあります。撮影会だと限られた場所と時間内に撮られた作品ですので、条件は厳しいと思います。非常に大胆でチャレンジングな試みだと思います。いっぽう、単写真と混合で審査するというのは審査員にとっても挑戦になります。同一の条件で見ることができないからです。組でも枚数が異なればまた違ってきます。 正直、私も組写真に真髄についてはよく分からないところがありますが、自分の基準として、3点組の場合1+1+1=3ではなく、組んだ効果が5から6くらい発揮されたものを優秀作としています。また、大別すると同質な写真で組んだものと、異質な写真で組んだものがあります。後者のほうが難易度は高いでしょう。いずれにせよ絶対的な正解はない世界なので、試行錯誤をしていただきたいと思います。