「里山の茶狩り」 中田美智雄
選評 : 関東本部委員 小野崎徹
茶摘み風景ですね。此れは二人だけで茶を摘んでいる御夫婦でしょうかね。それを上から俯瞰して撮っています。以前から狙ってたという場所だそうですね。緑色の蒲鉾の様に見える茶畑、綺麗に刈り込まれていますが、それはこんな風にして刈り取っているんですね。機械化されてるとはいえ、傾斜地での作業は結構大変でしょうね。 傾斜地の雰囲気とか、もっと大々的にやっているのかと思うと実は夫婦二人の作業、その感じ、丁度人物の位置が良い雰囲気ですよね。真ん中でもなく、端でもなく、上手い具合な位置で、人物の作業のやり方も良く分かりますね。 多分、中田さんも上の電線が気になるなと思ったんじゃないでしょうか、一寸光ってるものですから目立ちますね。それと、万遍なく光が回っているので、向こう側の山の木々も明るく光ってますが、此の部分は無くても良い感じですね。此の明るく茂っている上の方の葉っぱ、その部分を隠すと電線も半分ぐらい隠れて、シャドウ部分と手前の明るい部分のコントラストがよりはっきりするのではないか、そんな気がします。 いずれにせよ、此の作品は、静岡の基幹産業でもあるお茶ですが、こんな風にしみじみとした働きぶり、こんなところから生まれてくるんだと、改めて見入ってしまいますね。で、こういうところにも放射能が降ってくるって、許せないことですよね。(録音テープによる講評を鈴木洋一が要約)
「里山の茶狩り」 中田美智雄