「秋日を受けて」 杉山早苗
選評 : 関東本部委員 横田正大
黙黙と小豆を干すおばあちゃん。姉さんかぶりに、使い込んだ地下足袋から農作業のベテランとお見受けしました。
気負いのない「淡々とした」静かな昼下がりの雰囲気が伝わります。虫ラオの隅に寝そべるネコは「人に媚びない」という態度ですが、おひさまの光と一緒に「おばあちゃんの温かい視線を受ける」ネコの幸せな気持ちが背中から漂ってきます。
おばあちゃんの顔が見えませんが、写真を見るものには「間違いなく、ちらちらと視線はネコに注がれている」ことを思わせます。ストレートな写真表現が多い中、控えめなカメラアングルにおばあちゃんとネコの交流を見た思いです。杉山さんのやさしい眼差しを感じました。
「秋日を受けて」 杉山早苗