「闘鶏楽情景」 山田武弘
選評 : 全日写連関東本部委員 横田正大
獅子舞の行列が農村の道を練り歩いています。地区の各家を回って厄払いに向かう所でしょうか。
獅子の胴体は、我々が良く見かける唐草模様の風呂敷の柄ではなく獅子頭からたてがみを振り乱して太陽のように見える大胆で斬新なデザインです。歌舞伎の荒事の衣装に通じる洗練された美意識を感じさせます。獅子の体内で両手を広げているのか、四角い木枠を使っているのかわからないが、それによって生まれる四角形がその効果を更に強くしていて、由緒ある伝統行事の素晴らしさが伝わって来ます。一緒に歩く子供たちは、どんな気持ちで歩いているのか、この写真で見る限り珍しくてそばにいるだけのようです。
「闘鶏楽情景」 山田武弘