「牛代のみずめ桜」 中田美智雄

選評 : 小野﨑 徹

島田市川根町のみずめ桜は写真好きの間で人気が上昇中で、ネット上にも沢山の作品が発表されています。中田さんは霧と桜というひと味違うテーマでねらいました。川根を象徴するような茶畑に囲まれたエドヒガン桜。気品のあるたたずまいです。そこにかかる薄いベールのような朝霧の動きをとらえています。霧がどのように出るかは予測できません。うまく当たっても刻々と変わる状況をものにするのは難しいことです。後ろの山の木々を生かしたシャッターチャンスも良、ダイナミックな作品になりました。樹齢300年と言われ、町の天然記念物として地元の保存会が整備をしているそうですが、静岡のシンボルとしてずっと残しておきたい風景ですね。

「牛代のみずめ桜」 中田美智雄