「森の小道」 市川 恵美

 
講評 : 全日写連関東本部委員 横田 正大
 
20年以上、ライフワークにしている佐鳴湖畔で撮影した早朝の散歩風景だそうです。通いなれた撮影場所なのでしょう。森の小道を抜けるところで見つけた木立のトンネル。湖畔に続く草原に朝日が射し込んでいるので、すべての被写体がシルエットになる絶好のポジションです。周囲が黒くなるのでお膳立てがそろっています。 あとは小道の手前で待っていて、通りがかった人の仕草を見極めてシャッターを切ります。写真はスニーカーの若い男女を入れています。男性の半ズボンが夏を感じさせます。乳白色の朝もやの天候なら更に朝の雰囲気が出たでしょう。ファインダーの中に「絵になる風景を見つけてそこにインパクトのあるポイントを置く」作者の手際が光る写真になっています。
 

「森の小道」  市川 恵美