「ラストシーン」 池田 卓馬

選評 : 全日写連関東本部委員 横田 正大

撮影者の話によると一人旅の夜、とある町の最後の花火だったそうです。フィナーレを飾る大玉の花火が街を覆っています。大きさから三尺か四尺あるいはもっと大きい花火かも知れません。それを包み込む漆黒の夜空がフィナーレを飾る花火を小さく見せていて、過ぎ行く夏の送り火のようなイメージを醸して余韻の残る写真になっています。キャプションは単に「花火の終わり」ではなく夏の終わりをイメージしたものにすればより効果的になったように思います。

 

「ラストシーン」  池田 卓馬