「じろう君の日々」 望月導章

選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

幼い子の動きや姿態に変化のある3枚を組むことで、その子を巡っての小さなドラマが積み上がって見えてきて、見る方にも心の中心がほわんと温かくなるような組写真になった。特に3枚目の、遊びつかれてそのまま寝てしまった子の写真は、何とも言えない幸福感があふれている。着ている服から想像するに、違った時に撮られたものも入っているようだ。しかしその時の3枚でなくても、この子のと周囲の間の日常はきっと同じようなことが、らせんを描きながら繰り返されて行くことだろう。違った日の写真の組み合わせであっても描かれたものは、その典型として作品になり得たということである。写真を組むことの一つのヒントがここにはあるように思う。中央の写真のWBに気を付けて、左右の写真と色合いを揃えることもやってみよう。