「ビルの芝桜」 竹之内範明

選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

芝桜の植えられた、ここは公園だろうか。建物の大きなガラスのようなものを透かして見える芝桜の色の変化が面白いし、ピンクと緑色に上下を二分した画面も美しく、心がひかれる写真である。まるで芝桜の絨毯の上を歩いて行くかのように、小さな子供たちの一行。さらにガラスの中から抜け出したようにして右に走り抜ける少女が写し止められている。人工的な空間の中、この小さな少女の生き生きと子供らしい姿が、この作品を支えていると言えるだろう。

「ビルの芝桜」  竹之内範明