「家族の絆」  青木 照実

選評 : 全日写連関東本部副委員  神尾 一

 30年ほど前には良く見掛けた暮れの餅つきの光景ですが、最近ではめったに見られない、日本古来の伝統を伝える貴重な作品だと思います。時代は変わっても、夫婦相和し、来るべき新春を迎える準備をしているご夫婦、特に炊き上がったもち米を運ぶお母さんの表情が良く、その後ろで黙々と次の作業の準備をしているお父さんの立ち姿も素晴らしい。立ち上がる湯気の状態もタイミングよく捉えられていて、年の瀬の何かと気ぜわしい中にも、ほのぼのとした生活感が感じられる良い作品だと思います。