「盛夏」 竹之内範明
選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘
遠浅の海でのびやかに水遊びに興じる人々。それが一つの層となって空、積乱雲、そして山々や浜に挟まれたように描かれている。そのことが広々としたこの夏の光景と空気感を気持ちよく伝えている。海の色もいくつかの層をなしていて美しい。そして高く打ち上げられたビーチボールが、大きな青空をしっかり画面の中に引き入れている。海に流れ込む水の跡、大きな浮き輪も手前から奥への遠近感を強めていて効果的だ。小さなファインダーにこんな夏の光景を切りとるフレーミングの妙。異常な猛暑の続く中、爽やかな気分に浸ることのできる一枚である。