「親子」 池田是伸

選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

祭りの夜なのだろう。大きな光る蝶の羽のようなものを背中に着けた少女が父親に抱っこされている。その光る羽と父親の鯉口シャツの模様…、それだけで祭りの宵の、何とも言えない幸せな気分が、なつかしさと共に心を満たしてくれる写真である。画面いっぱいに広がったピンクの蝶の羽はもちろん大きな説得力を持っているが、父親の若く優しい首元、少女のちっちゃな右手の表情が大事なポイントになっている。心に響く写真である。

「親子」 池田是伸