「ノーモアウオー」 渡邊修一郎
選評 : 全日写連関東本部副委員 神尾一
海外旅行時の作品だそうであるが、南の国の長閑な街角でのスナップで、心和む作品である。最近の国際情勢は、ロシア、イラン、イスラエル、パレスチナ、そしてシリヤと紛争が絶えない嫌な世の中である が、その様な大人の醜い世界とは無縁な子供の世界は世界共通の様である。観光中の街角での出会いがしらでのスナップと思われるが、作者の鋭い観察眼と、シャッターチャンスの巧みさが素晴らしい。右手の 奥に有る黒い丸い物は、浮遊機雷の残骸か、はたまた漁に使う網のブイか創造力を掻き立てる。ロバートキャパや、佐和田教一の様な迫力は無いにしても、少年の今の世界の現状に怒って居る様な表情も良い。