「Dream World」  神尾 一

選評 : 全日写連関東本部副委員 神尾 一

 去る6月にコロナ真っただ中のボストンへ3年振りに渡航した際の作品。ボストンは北海道の稚内とほぼ同じ緯度に有るので,天候や、気温も良く似ており、6月の新緑と澄み渡る晴天の青さは素晴らしい。娘と家内が隣町のショッピングモールで買い物をすると言うので付いて行ったが、彼女らが買い物している間に,カメラ片手に店が立ち並ぶ通りをブラブラ歩き回って居たら、ある店のショーウィンドウの中に、何本かのきれいな風車が飾って有るのが目に入った。近づくと、其のショーウィンドウのガラスに青い空や街路樹の新緑が映り込んで不思議な童話のような世界が広がっていた。風車がVの字に並ぶようにアングルを変えて3枚写した内の一枚であるが、たまたま通行人が通り過ぎるのが映り込んで、黒い人影が新緑をより際立たせ、更には、歩道に止めてある、色彩的に邪魔な白い車も覆い隠してくれた。正に幸運な偶然に恵まれた一枚となった。