「うさぎを抱けた」 金崎茂

選評: 全日写連関東本部委員 中村明弘

 幼い子がその小さな腕で大事そうにウサギを抱き上げた。それを母親の手がしっかり下から支えている。ウサギを抱く子の緊張した顔を見ているとこちらも息を詰めてしまいそうだ。初めてなのだろう。ウサギを抱く子を母が抱いている。そこがこの作品のポイントになっている。母親の笑顔は半分帽子に隠れているがこれで十分。その楽しそうな笑顔が想像される。そこから幼い子の口元へ、さらにウサギを抱く腕に、さらにそれを支える母親の大きな手に…と、作品を見るこちらの視線も気持ちよく動いていく。二人の後ろのカピバラの親子のんびりした姿もちょっと入って作品をよりあたたかなものにしている。