「打ち上げを待つ」(3枚組) 竹之内範明

 選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

 

 海岸端で花火の打ち上げを待っている人々の様子をとらえた3枚の構成である。全体的にブルーを利かせ、映像としても美しくまとまっている。3枚の中でも魅力的なのが③のたくさんの観光客が公園の浜に出ている写真である。安全を考慮してか、照明が後ろから照らして中央付近の人々の姿を浮き上がらせ、不思議な光景になっている。題名が無く、この写真一枚だけなら、「なんだろう、この人の集まりは?」となるところだが、答えは最初から出てしまっている。そういう点で、題名を変えてみたらどうだろうか。例えば「夏の夜」だけでいい。そうするとこの作品を見る人は、まさしく「この人たちは、何?」と、3枚の写真を見ていくことになるのではないだろうか。写真は、100%わかってしまっては面白くない。大事なのは、この夏の夜に集まっている人たちを様々に見せることだ。どこにもまだ花火は見えないが、この組写真3枚を味わった後、頭の中には、最初の花火が開くかもしれない。