第54回 静岡県写真展 入賞作品

●カラー、モノクロ、組三部門の特選以上20点の作品を掲載しました。

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総評: 大西みつぐ

静岡県のみなさんは伝統的にモノクロ写真が盛んで、そのプリントの質の高さはこれまでさまざまなコンテストで証明されていました。はじめてお引き受けいたしました県展の審査も、このモノクロの部から開始したのですが、さすがに時代を反映してか、デジタルプリントも多かったのが印象的でした。ただ、残念ながら、カラーをモノクロに「変換」したという程度のものが多く、本来、銀塩写真で培われてきたはずの「調子の再現」がありません。これは少々期待はずれでした。しかし、上位の作品は誠実で静謐な作品で、あらためて被写体としっかり向き合うことの大切さを教えられました。それはカラー作品にもいえるようで、人間の喜怒哀楽が的確に写し止められていて、写真を見るこちらの心に深く入り込んできます。「趣味」として楽しく撮っていようと、写真には本来そうして人を感動させる力があることを再確認すべきでしょう。また組写真入賞作も内容のある重厚な作品群となり見応えがあるものばかりです。 

カラー写真の部 最優秀賞作品