「シルエット」 加藤洋一

選評 : 関東本部委員 小野崎徹

これは、カンナの葉に這っていたバッタを裏側から撮影したものですね。非常にリアルです。触角や細かい足のギザギザまでも上手く捉えられていますね。お伽噺の影絵芝居を見ているような、そんな気になりますね。 偶然ですが、葉っぱの茶色い疵が、こう何か、本物なんだというリアルさを、強調してますね。 カンナの葉というものは、そんなに薄くもないのに、よくもまあ、ここまできちっと撮れたと思います。日差しも強かったんでしょうね。また、バッタも、まるで加藤さんの気持ちが通じたかのように良い格好ですよね、千手観音のように手足を広げてカッコ良く、他の葉がもっと大きな生き物のように見え、これは想像力をかきたてられる良い作品だと思います。(録音テープによる講評を鈴木洋一が要約) 

「シルエット」 加藤洋一