「ボクの席」 鈴木儀雄

講評 : 大西みつぐ

 この作品もカメラアングルの秀逸さが光る一枚です。真上からの撮影は平面的になりがちですが、ここではそれが効果を越えて的確な状況を説明し、そこにまつわる小さなドラマを表現しています。またお母さんの動きを表現したところ、二つの帽子の存在、画面をとても柔らかなものにし、入学式の緊張感をより温かなものとして提示してくれています。ここに座る多くの子どもたちの未来に幸多かれと祈りたいですね。