「夜明け」 小田清治

選評 : 関東本部委員 小野崎徹

風力発電の風車が、勢い良く回っています。夜がまさに明けようとし、まだ太陽は水平線の下ですが、空がもう茜色に染まっています。 大変美しい色合いですね、ちょうど空と地面の境目が同じような明るさになって、良いバランスの瞬間になってる、そこを良く捉えてると思います。特に空の左側がグレーになって、鳥居の向こうが色づいて、非常に良いグラデュエーションですね。砂浜のデテールも良く出ています。 小田さんのメモに書いてあるように、全基一斉に風車が回っている、これはなかなか見られないんですよね。あるようでいて、けっこう風車ってどれかが止まってたりするものですけれど。これはもう、ぐるぐる回って、なにか勢いを感じさせますね。 前にも、この風車と鳥居の組み合わせ、小田さん取り上げたと思いますが、今回は鳥居がより大きく風車もはっきりとして、狙った時間帯も相まって、非常に面白い、なにかドラマチックな夜明け、そんなものを感じさせます。遠くの発電所でしょうかねぇ、衝突予防灯の赤い色がポツポツと上のほうに点いてる、そんなところも効果的ですね。(録音テープによる講評を鈴木洋一が要約)

「夜明け」 小田清治