「乾いた場所」 漆畑昌弘

 増殖する都市。隙間をモノで埋め尽くさないと落ち着かない病理学的症状を思わせる日本の都市の特徴を良く捉えている。重層的な視線を至近距離から無限まで、パンフオーカスにしているので、写真を見る人の個性によって自由に視線を泳がせることを可能にしている。光の強さもよく計算されていて、そのコントラストが空間的な共通性を出している。同質なイメージを繰り返すという構成の組み写真。繰り返すことでイメージを積分させる方法だ。