「街の風景」杉山とき枝

講評:土田ヒロミ

家紋も入って立派だったビル壁に描かれた富士。時をへて雑然とした後方に押しやられている。しかし、いまや、再び富士は世界遺産として最前線に。そんな事実がこの情景を見る時に思い起こされる。前面の事物で富士山が塞がれているように見える位置を選んでいること、長めのレンズの圧縮効果を生かし、大胆にフレーミングしたのが成功に導いた。