「不思議な光景」福島耕司

講評:土田ヒロミ

木陰から美女が突然…。抜けるような白い美肌、長く白いスカート、赤外フイルムの持つ不自然な「白」が情景の非日常性を際立たせていて、日常を超えたフイクションのおもしろさがある。さらに眼を懲らすと、少年とは後ろ前に手をむすび、こどものリュックからは、妖しげな動物の尻尾が伸びている。手の込んだ演出かもしれないが、その演出臭さをかくしてしまっているのは光、手前の遮光。遠方の空のグラデーションなどが怪しさを増長する効果になっている