「通り過ぎた日々」 鈴木広孝

講評:土田ヒロミ

淀んだ空間に時間を止めた事物が(中)(右)、それらの打ち捨てられた事物の空間は、棄景のように生気が無い景色。(左)は確かに生きものだが、死のイメージがある。そんな過去の(うしな)った記憶を蘇らせようとしている内容だ。(左)(中)(右)と質的な差異が大きいにも拘わらず、それらを強引に結びつける腕力がすばらしい。作者は、(中)に拘り過ぎているが、(右)(左)(中)という組み合わせはどうだろう。