「 街 」 宗像正人

選評 : 関東本部委員 中村明弘

電線や電柱、建物、看板などが入り乱れた狭い通りに電線工事車両が入り込み、もはや道路としての機能が停止状態にある。そういうこの場の喧騒と狂騒を、冷静に写し撮った。ともすれば看板の文字が目立ちすぎたりするところだが、なぜかそれがきつすぎず、他のものと同格に画面を構成している。丁字路で奥が抜けてしまわなかったことも幸いした。ヘルメットをかぶった作業員二人(車の中と外)が入ることで、画面を一層面白くしている。強めのプリントも効果的だ。作者は、聞くところによると、写真と取り組み始めてまだ数か月ということだが、こういうところにカメラをさっと向けるその写真的な目が素晴らしい。

「 街 」 宗像正人