「雨やどり」 山下 久一
選評 : 全日本写真連盟関東本部委員 小野崎 徹
茶屋の店先に腰を落ち着けほっとした様子の二人。画面の右は白いのれん、左は黒い板壁と対照的な構図になっています。黒い背景に二人の表情、しぐさが印象的です。夫婦なのか他人同士か関係はわからないけれど、それぞれの表情に安らぎを感じます。自分も年齢を重ね、何か二人に共感を得るところがあるのかも知れません。左上の格子戸から漏れる室内の灯りが作品の柔らかい雰囲気を盛り上げています。吉野千本桜撮影で天気は生憎だったそうですが、感性を生かした作品です。
「雨やどり」 山下 久一