「夏の日さがり」 中田美智雄 

選評 : 関東本部委員 小野崎徹

これは「昼下がり」か「日盛り」か、はっきりしないんですが、「日さがり」というのは、どうかと思いました。 掛川市大須賀町で、かの大竹省二さんの故郷ですね。「古い家並みが残っています」「とりあえず理髪店を狙いました」とのこと。これモノクロなんですよね、「夏の昼下がりだったので雰囲気を出すためモノクロにしました」ということで、これはモノクロで雰囲気出せたと思います。 この建物自体がとても良いですね、上の方の床屋さんのレリーフ、正面の古びた窓にボーンと衛星アンテナが飛び出て古いものの中に時代をちょっと取り入れて、下の看板を見ると今の時代にこれでやって行けるのかという古臭い感じがしますね。 全編に、夏の暑さとか、古さとか、ちょっぴり時代も、入っていて、なかなか良いバランスだと思います。画そのものも、良い仕上がりだと思います。ちょっと硬めのところも、夏の昼下がりうを出せたと思います。モノクロをやってみて良かったんじゃないか、試みが成功したと思います。(録音テープによる講評を鈴木洋一が要約) 

「夏の日さがり」 中田美智雄