「影」 鈴木 實

講評 : 土田 ヒロミ

 木戸口からあたりを伺って、屋敷に密かに侵入しようとする帽子の怪しい男。強い光が顔を露にしてしまっているのが、これもドラマ仕立ての演出か。手前の路上に広がる影が、一層ミステリーを醸し出している。これらの全てが偶然なのだろう。写真は嘘をつくものだ。これが写真の特性の一つだ。