「富士を仰ぐ町」 鳥羽 明

講評 : 土田 ヒロミ

 富士の裾野に包まれながら、老若男女が山車を曳く。ゆったりと事もなく祭事はすすむ。仰げば雲をたなびかせて神体。全てが予定調和の幸福の町なのだが、左の列の女性達の重なりが複雑に恕リがっていてムラを作って、奥の富士に流れようとする視線を組み止め、行列の密度深めている。そこがいい。