最優秀賞  「雨に濡れても心は錦」 加藤利光

選評 : 宮嶋康彦

 雨が止むのを待つ人々の、一人ひとりの表情がよく捉えられている。踊り子の面々は「間もなく雨が上がるだろう」と期待に満ちていて明るい。かれらの胸裏では、すでに雨が上がっているとさえ思わせるではないか。誰にでも撮影できそうなショットだが、経験からくる直観の裏打ちあってこその撮影である。