「窓辺」 畠 仁史

選評 : 全日写連総本部理事 林 喜一

素晴らしい。3人の表情がとてもいい。しぐさも大事だが、この顔の表情がとても大事である。それと肌色。肌色が白く飛ぶと病人の色だし、あまり彩度を上げると人の肌色ではなくなるが、この作品はすべてがパーフェクトである。それと木枠の窓ガラスとそこに写っている柳がざわめいているところもいい。また、部屋の中にたばこと書かれた看板があるが、これも将来消えてゆくだろうなという思いがする。すべてが素晴らしい中で、ただ一つ言えることは、真ん中と左のご婦人の髪の毛の黒が背景の黒と融合して、髪の毛の質感が見えきれていない。この髪の毛を少し明るくするといいかなと思う。

「窓辺」  畠 仁史